以前、本年10月の火災保険の値上げについてブログに書きました。
ですが、まだこのようなご意見をいただきます。
「保険って元が取れないし、いりませんよね?」
「火災保険って本当に必要なんですか?」
「共済で十分だと思うので保険には入りません」
皆様もこのように考えた利していませんか??
今回は「そんな人にこそ聞いてもらいたい話」話をしていきます。
そもそも「火災保険」ってどんな保険なの?
「火災保険」というとどうしても「火災のときに使う保険」のイメージが強いですが、それだけではありません。
現在販売されている火災保険は、火災だけでなく「風災」「水災」「雪災」などの災害や、「家財の破損・汚損」も補償対象になります。
したがって、ほとんどの損害保険会社は「火災保険」ではなく「住宅保険」や「住宅総合保険」という名称で販売されています。
そもそも火事はどのくらい発生しているの?
火災保険について考える前に、
そもそも日本で火災はどのくらい発生しているのでしょうか?
平成30年の消防白書によると、
平成29年の1年間で3万9,373件の火災が発生しているようです。
1日あたりにすると、108件です。
少ない数字ではないですよね。
意識的にニュースを見てみると、
毎日どこかの火事のニュースが報道されています。
ちなみに、人口1万人あたりの火災の件数を出した「出火率」というデータもあります。
全国で見ると、3.1件/万人です。
人口100万人の都市であれば300件ですので、
「1日1件は街のどこかで火災が起こっている」
といっても過言ではありません。
特に、空気が乾燥する今の時期は火災がとても多く発生しています。
火事の原因で一番多いのは?
火事の話をするとよくこんな意見を言う方がいらっしゃいます。
「うちはオール電化だから、おそらく火事にならないよ!」
「火の回りには十分気をつけているし、火事は起こさないから保険もいらないかな!」
こんなこと思ったことはありませんか??
こんな考えを持っている方は、重要なポイントを見逃しているんです。
火事の原因で一番多いのは「タバコ」です。
これはなんとなく想像がつくと思います。
では2番目に多いのは??
じつは「放火」なんです。
放火の件数は年々減ってきているものの、未だに年間6000件程度発生しています。
つまり、自分で火事を起こさないように気をつけている人でも火事は発生してしまう可能性があるということです。
火事が起こったときにどんな費用が必要になる?
「火事になったら新たに建て直さないからそんなにお金かからないよ」
こう思っている方は大きな間違いをしています。
例えば、「残存物片付け費用」
最近の家は耐火構造の家も多くなっているため、火事が発生した場合でも被害が最小限に抑えられるようになっています。
それはそれでいいことなのですが、逆に言えば「ほとんどの場合焼け跡に残存物が残る」ということでもあります。
家を建て直す場合、それらを片付けてからでないと家は建てられないですし、そこから引っ越す場合でもそのままにしておくわけにはいきません。
このような費用の負担もしなければならなくなります。
他にも「家具の購入費用」なども必要になりますし、単純に家を建て替えればいいという問題ではないのです。
ちなみに、「自分の家の火事が原因で周りの家が燃えてしまった場合」でも、日本の法律では周りの家に損害賠償を請求されることはありません。
これは逆に言えば、「周りの家の火事が原因で燃えた場合でも自分の家の火災保険で直さなければいけない」ということにもなりますので、ご注意下さい!
火事だけでなく災害も増えている
さらに、ここ最近自然災害も非常に増えてきております。
特に多いのが「台風」の被害です。
記憶に新しいのは2018年の台風21号。
関西国際空港の橋にタンカーが衝突し、一時通行不能になってしまったのは非常に衝撃的でした。
この台風では全国で10万棟弱の家が一部損壊以上の被害を受けたそうです。
それ以後も毎年、夏になるとどこかで台風に伴う洪水や風の被害のニュースが報道されています。
こういった自然災害については、自分で防ぎようがありません。
唯一ある準備方法が「もし被害があった場合でも保険でカバーする」ということですので、こういったときにも備えて火災保険には加入しておく必要があります。
早いうちに火災保険に加入もしくは見直ししたほうがいい理由
冒頭にも紹介したように、火災保険は2022年10月から大幅に値上げをします。
どのくらい上がるかというと、約20%程度です。
(地域や建築構造によって違うので、詳細はご確認下さい。)
つまり、新たに加入もしくは見直しを考える場合は、今年の9月までがタイムリミットになります。
今火災保険に加入していない方はご加入をおすすめします!
「うちは入っているから安心だね」
そう思った方でも、以下のような場合は見直しをしたほうがいいかもしれません。
※こんな人は火災保険の見直しをしたほうがいいかも!※
1.保険期間を短めで加入している方
現在、火災保険の保険期間は「最長10年」ですが、今年の10月以降は「最長5年」になります。
保険期間が長いほうが、1年あたりの保険料は安くなりますので、短い保険期間で加入している方は見直しを検討してもいいかもしれませんね。
ただ、保険期間が長い契約の場合、保険料一括払いのみなどの縛りがある保険会社もありますので、詳細は保険会社にご確認下さい。
2.家を買ったときに加入してから全く見直しをしていない方
火災保険の内容は実は結構変わっており、現在は「住宅総合保険」というのが一般的な名称になっています。
家を購入してから一度も見直しをしていない場合、ひょっとしたら補償内容が以前のままになっており、万が一のときに役に立たない場合があるかもしれません。
一度内容を確認することをお勧めします。
3.地震保険に加入していない方
今年の10月に値上げになるのは火災保険だけではなく、実は地震保険も値上げになります。
日本は地震大国と言われるほど地震が多いので、地震保険に加入していない方はこの機会に是非加入をおすすめします。
ちなみに地震保険は火災保険と一緒にしか加入ができないので、火災保険と一緒に見直すようにして下さい。
(「地震保険」はどの保険会社で加入しても保険料も補償内容も同一です)
まとめ
今回火災保険についてブログにまとめたのは理由があります。
昨年、私の親しくしていた方が火災で亡くなりました。
火災保険が十分でないことは理解しており、「次は火災保険の見直しもしなければいけませんね」と話をしていたのですが、次の面談の数日前に亡くなられました。
私はファイナンシャルプランナーとして悔やんでも悔やみきれず、
「二度とこういったことを起こしてはならない」
と強く思いました。
火災はいつ起こるか予想も付きません。
まだ火災が発生していないうちに、少しでも保険料が安く加入できるうちに加入することをおすすめします。