最近、仮想通貨や仮想通貨ウォレットに関しての記事を監修させていただいたことで、仮想通貨関連の相談をいただくことが増えました。
メタマスク/MetaMaskとは?使い方や送金方法を初心者向けに解説【スマホ・PC】
【2022年最新】仮想通貨のエアドロップとは?開催中の案件と受け取り方を解説
ただ、受ける相談の半分以上が「自分は騙されているのではないか」「友人から仮想通貨を勧められたが、本当に大丈夫か」という詐欺関連の相談です。
そこで今回は、仮想通貨に関する詐欺の手口について、実際にあった事例を元に解説します。
合わせて、詐欺被害に合わないための方法についてもお伝えいたしますので、これから仮想通貨への投資を考えている方は参考にして下さい。
仮想通貨がなぜ人気があるのか
「仮想通貨=怪しい・怖い」というイメージはなぜできるのか
仮想通貨を使った詐欺の具体的な手口は?
詐欺にだまされないための方法
そもそも仮想通貨とは?
仮想通貨とは、簡単にいうと「インターネット上でやり取りができるデジタル通貨」のことです。
通貨なので、代金の支払いにも使用できますし、法定通貨(日本円や米国ドル)との交換も可能です。
法定通貨と違い、特定の管理者が存在せず、銀行などを介さなくてもやり取りが可能なのも大きな特徴と言えます。
ただ、「国家」という管理者が存在しないため価値の裏付けとなる資産がなく、さまざまな要因で大きく価値が変動します。ここが仮想通貨が投資として人気がある特徴の1つです。
仮想通貨詐欺とは
では、仮想通貨はなぜ詐欺に使われるのでしょうか。
大きく分けて理由は2つあります。
1つめは、銀行などを介さずにやり取りができてしまうのでチェック機能が働きづらいことです。
銀行を介してやり取りする法定通貨であれば、不審なお金の移動があれば銀行が気づくことができます。
仮想通貨はそのチェック機能が働きづらいので詐欺に使われやすいというのが理由の1つめです。
2つめは、法整備がまだ十分ではないことです。
仮想通貨の交換業者が登録性になったのは2017年であり、それまでは登録すら必要ありませんでした。
その後法整備も進んできましたが、まだまだ法整備が十分とは言い難いところが多々あります。
法整備が進んでいないため、詐欺師が狙いやすいというのが2つ目の理由です。
ここからは、具体的な詐欺の手法について紹介していきます。
ポンジスキーム
アメリカのチャールズ・ポンジという人が行った手法なのでこのように言われています。
ポイントは「元本保証」「高利回り」「少額から可能」「定期的な配当」です。
この4つがすべて揃っている投資は確実に危険なので注意しましょう。
また、4つ全てでなくても「元本保証」「高利回り」「定期的な配当」の3つのうち2つまで当てはまるものについては、一度専門家に相談することをおすすめします。
そもそも金融の世界では「元本保証」はずいぶん前に禁止されています。
著名人の名前を語る
「芸能人の〇〇さんも行っている」「〇〇社の社長が関わっている」というように、有名人の名前を使う方法です。
つい先日もTKOの木本さんのニュースがありましたが、有名な人の影響力を使って投資を募るのは昔から詐欺で使われてきた手法です。
有名人を使ったCMをしているからと言って信用しないようにしましょう。
マッチングアプリ・SNSを使う
最近非常に増えている方法で、相談いただく方の半分くらいがこの方法です。
マッチングアプリやSNSを経由でメッセージを送り、そこからLINEなど個別にやり取りできる方法に切り替えて加入する方法です。
このパターンは、やり取りをしていくうちに親近感が湧くため、つい警戒を解いてお金を預けてしまう危険性があります。
実際に詐欺にあった事例の紹介
ここまで代表的な詐欺の方法について解説してきました。
では実際にどのように詐欺の勧誘は行われるのでしょうか?
実際に被害にあった方から了承をいただき、どのような方法で勧誘されたのかを公開していこうと思います。
きっかけ
相談者さんは20代の女性の方です。以下Aさんとします。
きっかけはInstagramのDMでした。DMを送ってきた人をBさんとします。
Aさんはちょうど貯金をしていかないといけないと考えていたため、「投資」「安全」と言ったキーワードに反応して返信してしまったそうです。
その後Bさんの公式LINEに登録し、LINEの中でやり取りを行いました。
「日本の年金制度は破綻する」「自分でお金を増やさなければいけない」「貯金だけでは無理」
Bさんとのメッセージのやり取りの中でこのような言葉が出てきて、不安をあおられたそうです。
そして、「仮想通貨のマイニングに興味はありませんか」「今の預金のお金を別のところに預けるだけでマイニングの権利がもらえる」「今なら枠が空いているから案内できる」と言われ、Aさんはさんは案内された方法をやると言ってしまったそうです。
その後の対応
その後、Bさんから具体的な方法を指示されました。
・持っているお金でイーサリアムを150万円分購入する
・購入したイーサリアムを取引所からウォレットに移す
・移したイーサリアムを別の仮想通貨に変え、指定されたところに送る
ここまできて怪しいと思ったAさんは、Bさんに一旦お金を返してほしいと相談しました。
その時言われたのは「累計200万預けてくれないと解約できないから、あと50万円預けてほしい」ということでした。
騙されたと思ったAさんは、私のところに連絡をくれました。
相談に来た結果と、弁護士からの回答
ポイントは下記の点でした。
・イーサリアムから変えた別の仮想通貨は、直接日本円に変える方法がない
・送金先が香港で、日本の法律では対応が難しい
弁護士にも相談したのですが、法整備がまだ不十分なことと、すでに海外に送金してしまっているため対応が非常に難しいとの回答でした。
その後LINEで返金を依頼しても同じ回答が続き、最終的には連絡が取れなくなってしまったそうです。
仮想通貨詐欺にあわないために
いかがでしたでしょうか?
実は1件だけではなく、ほとんど同じ相談を複数名の方から頂いております。
送金する前に相談いただければと私も非常に悔やんでいるので、こういった被害に合わないために気をつけてもらいたいポイントをまとめました。
金融・投資に関する知識をつける
まずは金融全般や投資に関する知識をつけることです。
日本の法律は「知らなかった」人を守ってはくれません。自分の身は自分で守る必要があります。
話を聞いて自分で理解できない場合、信頼できる第三者の意見を求めるか、そもそも近寄らないようにしましょう。
うますぎる話にはのらない
詐欺の手法は、人間の心の奥底にある「楽して儲けたい」という気持ちにつけこんできます。
うますぎる話は基本詐欺だと疑って話を聞きましょう。
ごく少数の人だけが知っているうまい話は、ここまでインターネットが発達した社会ではほぼ存在しません。
「なぜ人は儲け話を他の人に勧めるのか?」
答えは「他の人に勧めることで、その人が更に儲かるから」です。
信頼できる相談先を作る
それでもどうしても興味があってやってみたいと思った場合は、一度信頼できる人に相談して下さい。
先程のAさんも「相談料をもったいないと思わず、事前に相談すればよかった」と言っていました。
仮に投資先が詐欺だった場合、損失は100万円以上になる可能性もあります。
まとめ
今回はちょっと暗い話になってしまいました。
先日テレビで豊田商事事件の特集をしていましたが、詐欺は基本的になくなることはありません。
詐欺から身を守るためには下記の点を再度注意しましょう
まずは自分が勉強して知識を身につける
わからないものには手を出さない
いつでも相談できる先を作っておく
弊社では、投資や金融商品に関しての相談を行っております。
金融業界15年以上の経験のある代表が、親身になって皆様のお悩み解決のサポートを致します。
オンライン相談なので全国どこからでも受けることができますので、お気軽にご相談下さい!
ご相談希望の方は、下記のフォームに入力して下さい。