前回のブログで本多静六さんの資産形成方法について書いてみました。
今回は、「本多静六さんの行った投資手法を現代にアレンジして行うとしたらどのような方法が考えられるか?」を考えてみようと思います。
生涯で100億円以上の資産を作った本多静六さんですから、きっと現代にも応用できることでしょう!
目次
本多静六さんの資産形成方法おさらい
まずは本多静六さんの資産形成方法をおさらいしておきましょう。
本多静六さんの資産形成方法 |
①入ってきた給料の4分の1と、臨時収入のすべてを貯蓄に回す ②それをひたすら続けて資産の核を作る ③ある程度核ができてきたら預金より率のいいものに資産を変えていく |
本多静六さんは「株式投資」を選択し、ルールに従って売買をしていきます。
並行して「山林買収」も行いました。
安く買った山林が70倍の値段になったそうです。
これを今からやるとしたらどのように行えばいいのでしょうか?
25歳のサラリーマンが始めるとしたら…
本多静六さんは25歳から貯蓄を始めたようなので、同じ年齢から始めてみましょう。
その当時とは時代背景も違うので、やり方は現代風に多少アレンジしてみます。
25歳の貯蓄に回せる金額は?
dodaの行った調査によれば、20代の平均年収は348万円とのことです。ここから貯蓄に回せる金額を計算すると・・・
25歳の人が貯蓄に回せる金額 |
⇒ 手取り 約280万円くらい ⇒毎月の手取り 18万円くらい + ボーナス手取り32万円くらい×2回
⇒毎月7.2万円 + ボーナス32万円 =118.4万円
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年間118.4万円が貯蓄に回せそうです。
どのような方法で貯蓄をするか?
本多静六さんの時代と比べると、現代では「自動引去」というすばらしい仕組みがありますので、これを利用します。
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なぜ預金ではなくて積立投資かというと、本多静六さんの時代と今では預金の金利が全く違うからです。
積立投資の投資先はこのように選びます。
【前提条件】 ①長期に渡って運用を継続できていること ②その間の実績がプラスになっていること
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選んだのは、「キャピタル・インターナショナル株式会社」の「キャピタル世界株式ファンド」です。
1970年代から運用しており、その間の実績は大きくプラスになっています。
キャピタル社のホームページの「毎月10万円ずつ40年間積み立てた実績」を元に計算すると
【40年続けた場合】 投資総額 4,800万円 ⇒ 評価額(運用の結果) 4億5,000万円
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これでとりあえず核となる資産は作れそうですね。
ある程度核となる資産ができてきたら個別株投資
ある程度核となる資産ができたら個別株投資も行っていきます。
では「核となる資産ができた」と言えるのはどのくらいなのでしょうか?
本多静六さんはこのように述べています。
どんなにつらい思いをしても、まず1000円をお貯めなさい。ー今日ならさしずめ10万円というところかー1000円貯れば、たちまち5000円たまり、5000円貯ればまもなく10000円にはいとやすいことである
このときの「1000円」は今でいうと「1000万円」くらいの感覚です。1000万円貯まったら、個別株の投資も行っていきます。
本多静六さんは「先物取引の買い」で行っており、「引き渡しまでに2割増えたら転売・保有している中で10割増えたら半分売却」というルールを決めていました。
リスクを抑えるためにも今回は「現物の買い」で買うことにします。では、どのような銘柄を購入すればいいでしょうか?
銘柄の選び方
本多静六さんが最初に購入した株は、「日本鉄道株」でした。
これは留学時代の先生の教えに忠実に従った結果です。(詳しくは前回のブログをご覧ください。)
現代ではなかなかこういったものを見つけるのも難しいので、下記の基準で選んでみます。
- 東証一部上場
- 時価総額1000億以上
- 配当利回り5%以上
この基準を選んだのは「潰れない会社で、配当収入を期待するため」です。この基準で選んでみると、9社該当します。
例えばその中の1つが、「ソフトバンク」です。
ソフトバンク株式会社 |
東証一部上場 時価総額 6兆7000億円強 配当利回り 6.10% |
仮にソフトバンク株を500万円分購入した場合 |
購入可能株数 3500株 年間配当金額 30万円 株価上昇による含み益(キャピタルゲイン) 50万円 ※2020年6月の株価との比較 年間期待利回り 16%(税金は考慮していません) |
キャピタル世界株式ファンドは40年の年率平均9%弱なので、やはり個別株のほうがプラスは取れますね。
ソフトバンクの株式を1億円購入したら、1000万円以上の値上がり益と、600万円程度の配当が入るわけですから、そんな選択もいいかもしれません。
どこで買ってどのタイミングで売るか?
これは難しいです。
本多静六さんも売りのタイミングは教えてくれていませんので、配当目的に長期感保有して売らないのも一つの選択です。
今回のソフトバンク株も長く保有して配当を受け取る前提で、配当利回り5%以上の株式の中から探しました。
売る指標についてもルール化する必要があるでしょうが、今回は本多静六さんの手法のアレンジなので特に触れていません。
最終的に自分の資産をどうするか?
資産をある程度築くことができたあと、「その資産をなんのために使えばいいか」ということについても触れてみます。
本多静六さんは、このように述べています。
財産のこしらえ方も難しいが、財産の上手な使い方はさらに難しい。
本多静六さんも、最終的に最低限の資産を残して寄付をしました。
また、本多静六さんの本によく登場する安田善治郎(安田財閥を作った人)も、このような言葉を残しています。
『財産はいくら積んだとて、あの世へ持っていけるものでもない』
本多静六さんの考え方として、次のようなものがあります。
月一万円の生活をする人が二万円の生活にこぎつけても幸福は二倍にならぬし、十万円の財産に達しても、ただそれだけではなんらの幸福倍化にはならない
「資産を作ることのみを考えるのではなく、自分が何をしているときに幸せと感じるかを見つける必要がある」と本多さんは常に言っていたそうです。
本多静六流資産形成の結果は?
ではこの方法を実践したらどのような効果が得られるのでしょうか?本多さんの方法と現代版アレンジについて整理しながら見ていきます。
本多さんのやり方 |
現代版アレンジ |
4分の1貯蓄法 |
4分の1積立投資 ⇒4800万が40年で4億5000万円に。1000万貯まったら半分を個別株投資に回していく。 |
「株式投資」 ⇒先物取引。「引き渡しまでに2割増えたら転売・保有している中で10割増えたら半分売却」。教師の教えを参考に、「日本鉄道株」を購入 「山林投資」 ⇒ 最終的に70倍に |
「株式投資」 ⇒ 現物取引
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キャピタル世界株式ファンドのシミュレーションですと34年後に1億円株を買えるようになります。25歳から始めたら59歳のときに、資産2億円かつ不労所得600万になれますね。
個別株もしっかりリサーチを行った上で投資したり、次の一手を考えれば5億、6億という成果も不可能ではなさそうですね。
実践する際に気をつけること
4分の1貯蓄法は今も昔も変わらず資産形成の王道中の王道です。
ただ、資産を作ることが目的になってしまうと失敗します。
本多静六さんも幼少の時に貧乏で苦しみました。
貯蓄をはじめたきっかけも、貧乏生活からの脱却が目的だったようですが、それが目的になるといくらお金をためても本当の幸せは手に入りません。
資産形成をしようと思っている方も、なんのために資産形成しているのかを明確にしましょう。
まとめ
今回のブログは多少無理がありました(笑)
何しろ肝心なところが本に載っていないので、かなりの部分を私が補記しました。
本多静六さんの時代は、「第二次世界大戦」や「戦後のインフレ」など環境は今と全く違いますので方法は多少変える必要がありますが、4分の1貯蓄法だけは今も昔も変わらず最強の貯蓄法です。
まずは家計を整理して、4分の1は無理でも5分の1や6分の1など決めた金額を貯蓄に回してみましょう!
最後までまご覧いただきましてありがとうございました。
