「積立投資を始めてみたいけど、投資は少し不安」
「たくさんありすぎてどんな投資信託を買えばいいのかわからない」
「どんな基準で選べばいいの?」
こんな質問をよくもらいます。この気持ち、私もとてもよくわかります。
今回は相談の中でも一番多い「積立投資」について書いてみました。この記事を読んでもらうことで「積立投資の仕組み」「たくさんの中から投資信託銘柄を選ぶ基準」「FPおすすめの投資信託」といったことがわかります。
目次
積立投資と一括投資
面談していると、積立投資と一括投資の違いが不明確な方が結構いらっしゃるので、まずはそこについて書いてみます。
一括投資は、ずっと値上がりすれば儲かる
手元にある100万円を使って、まとめてある金融商品を買う
一括投資はこんなイメージです。
100万円で買ったものが120万円になったら儲かりますが、80万になったら損をしてしまいます。
一括投資の場合、買ったときの価格より少しでもプラスにならないと儲かりません。
積立投資は上がっても下がってもいい
手元にある100万円で、金融商品を1ヶ月に10万円ずつ買う
これが積立投資です。
では積立投資の場合はどんな値動きをすれば儲かるのでしょうか?
実はこの問いには正解はありません。
なぜかというと、一括投資と違って積立投資の場合は毎月金融商品を買い増していくため、量が一定ではありません。
むしろ、途中で価格がものすごく下がってくれたほうが、量をたくさん買うことができて最終的にプラスになることもあります。
あえて答えを出すとしたら、「途中の価格は下ってもいいが、最終的には購入価格以上の価格になる」ものを選ぶ事です。
そもそもこの2つの投資方法では利益のとり方が違うということを覚えておきましょう。
【参考】一括投資と積立投資の違い
我々が「投資は損しそうだから怖い」という場合の投資は一括投資を指しているケースが多いです。
積立投資に適した投資信託の基準は?
では、どんな商品をえらべばいいのか。
いくつか特徴を上げてみます。
1.長期的に成長していくものか
一括投資と違い、積立投資は長く続けることで大きな効果を得るものです。
なので、「長期的に成長していく資産に投資している」ということが一番大切です。
たとえば、「テーマ型投資信託」というものがあります。
「テーマ型投資信託」はその時に旬なテーマを選び、そのテーマに沿って運用対象を決める投資信託です。
「AI」「ロボット」などがわかりやすい例ですね。
テーマ型投資信託は、そのときに旬なテーマなので短期的には大きく増える可能性があります。
ですが、その時旬なものが数十年先も旬であり続けるのはとても難しいことです。
長期的に成長するものの代表は「世界経済全体」等が挙げられますね。
積立投資を行う場合には、「その資産が数十年後にも成長している可能性があるか」という視点を必ず持っておきましょう。
2.長期運用の実績はあるか
「投資信託そのものの実績」と「運用会社の実績」の2つを見る必要があります。
まずは投資信託そのものの実績です。
積立投資を行う場合、最低でも10年から15年は運用しないと大きな効果は得られませんので、5年以上の運用実績がある投資信託を選びたいところです。
2010年ごろは、3年未満しか運用しない投資信託の割合が多く、日本人の投資信託の平均保有期間も3年未満でした。
最近では長期間運用する投資信託の割合も増えてきてはいますので、「5年以上歴史のある投資信託を選ぶこと」が重要です。
次に、「運用会社の実績」です。
これまで投資は短期で行うものというイメージだったので、日本の運用会社には長期の運用実績があるところは少ないです。
IdecoやつみたてNISAができたことで、長期運用を前提とした商品も多く出てきましたが、外国にくらべると長期運用の実績はまだまだです。
そこで私がおすすめしたいのは、海外の運用会社です。
アメリカやヨーロッパでは長期の運用は昔から普通に行われております。3世代に渡って同じ投資信託で運用するということも普通で、30年以上運用している投資信託というのもたくさんあります。
日本の運用会社だけでなく、海外の運用会社に目を向けてみましょう。
3.運用方針はどうなっているか
投資信託の運用は、「アクティブ」と「パッシブ」の2種類に分かれます。
パッシブの代わりに「インデックス」と言われることもあります。
アクティブというのは、積極的に運用して大きなプラスを目指すもの、パッシブは運用対象資産の値動きに連動する運用方針のものです。学生に例えると、ムラはあるけどたまにものすごくいい点を取る子がアクティブで、いつも平均点を取る子がパッシブといったところでしょうか。
ではどっちのほうがいいのか。
これは、どちらでもいいと思います。
最近では「パッシブがよくてアクティブはよくない」というような論調ですが、そうとは限りません。
確かにアクティブ君は100点を取るときもあれば、平均点以下の事もあります。でも、学校にいつも平均点以上のいい点を取り続けている人が何人か居ましたよね。そんなアクティブ君を探せばいいんです。
パッシブ君は常に平均点なので、平均よりいい点をとることもありません。ただ、常にいい点を取り続けるアクティブ君を探すのは難しいので、パッシブのほうがいいというように言われているだけです。
「投資対象」や「運用実績」といった選ぶべきポイントがおさえられていれば、アクティブでもいい投資信託は見つかります。
もしどれがいいか悩んだら、お気軽にご相談ください。
個人的におすすめの投資信託は??
じゃあ結局どれを買えばいいのか?個人的におすすめしたいものを3つほど紹介します。
1.ブラックロック iシェアーズシリーズ
ブラックロックは世界最大の資産運用会社であり、運用資産は1,153兆円程度(2021年12月末)です。日本のGDPを大きく上回ります。
iシェアーズはブラックロックが運用している投資信託の商品名です。「世界株式」「新興国株式」「米国株式」など様々な資産で運用している投資信託があり、世界全体のETF(※)の中でトップシェアを誇る商品です。
運用会社の実績・商品の実績は申し分なく、いろんな資産に対応しているので、困ったらまずは「iシェアーズシリーズ」から選んで頂くのをおすすめしております。
2.楽天・バンガード・ファンドシリーズ
2つ目は楽天グループの楽天投資顧問の「楽天・バンガード・ファンド」です。
楽天は皆さんご存知だと思いますが、今回注目すべきなのは「バンガード」の方です。
バンガードはブラックロックに次ぐ世界第二位の資産運用会社で、日本人が大好きなインデックスファンドを世界で初めて個人向けに作った会社です。
例えば、楽天・バンガード・ファンド(世界株式型)というものがあります。
楽天投資顧問での設定日は2017年となっていますが、実際にはそれよりも10年以上前から運用されている非常に歴史のある投資信託です。「楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」は楽天証券ファンドアワードで第6回最優秀ファンドに選ばれています。
こちらも実績は申し分無いので、自信を持っておすすめします。
3.キャピタル・インターナショナル「キャピタル世界株式ファンド」
3つ目はアクティブファンドです。
キャピタル・インターナショナルはアメリカの運用会社で、アクティブ運用がメインの会社です。
一言で言えば、いつも平均点以上を取り続けている優等生のような投資信託です。
私の前職の保険会社も使っていたので、この会社の人から直接話を聞く機会も多かったのですが、何度聞いてもやはりすごい会社だと思います。
運用実績を少しでも大きくしたいという方にはおすすめです!
キャピタル世界株式ファンドについては別の記事でも書いていますので、ご覧ください。
>日本一の「貯蓄の達人」に学ぶ資産形成方法を現代で行うとしたら?|FP高原ブログ
まとめ
いかがでしょうか?
改めて、私のおすすめのファンドは、
- ブラックロック iシェアーズシリーズ
- 楽天バンガードファンド
- キャピタル世界株式ファンド
見事に外国の運用会社が出揃ってしまいました。
他にもフィデリティやアライアンス・バーンスタインなど、いい会社はまだまだあります。
日本の運用会社が悪いというわけではなく、積立投資に適した投資信託の条件を上げた上で、当てはまるものを選んでいくと外国の運用会社しか残らなかったんです。
今後日本も「貯蓄から投資へ」の流れが進んでいけば、条件に合致する会社も出てくるでしょう。
本や雑誌で紹介されている投資信託の銘柄とは違った商品だと思います。こんな選び方もあるという参考にしてもらえたらうれしいです。
ご意見やご感想、ご相談についてはお問い合わせフォームから随時承っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。