つみたてNISAが恒久可されるというニュースにもあった通り、多くの日本人が積立投資を始めるようになってきました。
ただ一方で、まだこのような声もあります。
「積立投資を始めてみたいけど、投資は少し不安」
「たくさんありすぎてどんな投資信託を買えばいいのかわからない」
「どんな基準で選べばいいの?」
そこで今回は、「積立投資」について解説いたします。
積立投資の仕組みだけでなく、最後に私がおすすめする投資信託も紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
積立投資と一括投資の違い
積立投資に適した投資信託の選び方
積立投資におすすめの投資信託3選
積立投資と一括投資
まずは、積立投資と一括投資の違いについて復習しましょう。
面談していると、積立投資と一括投資の違いが不明確な方が結構いらっしゃいます。
積立投資と一括投資の違いについて理解した上で、自分にはどちらが向いているのか考えてみましょう。
一括投資は、ずっと値上がりすれば儲かる
一括投資とは、「まとまったお金を使い、一括で金融商品を購入する投資方法」のことをいいます。
例えば、今定期預金に100万円というお金があったとします。
その100万円を使って、まとめてソフトバンクの株式を買うような投資方法を一括投資と呼びます。
一括投資のポイントは、「買ったときの価格以上に上がらなければ損をする」ということです。
①1株10,000円で購入したソフトバンクの株が、1株15,000円になった場合
購入時:1,000,000円÷10,000円=100株購入可能
売却時:100株×15,000円=1,500,000円
②1株10,000円で購入したソフトバンクの株が、1株5,000円になった場合
購入時:1,000,000円÷10,000円=100株購入可能
売却時:100株×5,000円=500,000円
一括投資の場合、購入したときの金額である1株=10,000円よりも高い金額ならない限り、損失が発生します。
うまくタイミングを捉えることができて購入したときの金額より大きく上がった場合、一括投資の場合大きな利益を出すことが可能です。
逆に、自分で購入や売却のタイミングを捉えることができない方は手を出さないほうがいいかもしれません。
積立投資は上がっても下がってもいい

積立投資とは、「毎月決められた金額で、同じ金融商品を購入し続ける方法」のことをいいます。
先ほどと同じく、定期預金に100万円ある場合を例に考えてみます。
一括投資の場合は一回で100万円分の株を購入しました。
積立投資の場合は、一回ではなく複数回に分割して株を購入します。
例えば、ソフトバンクの株を1ヶ月に10万円ずつ、10ヶ月間かけて買うようなイメージです。
これが積立投資です。
では積立投資の場合はどんな値動きをすれば儲かるのでしょうか?
実はこの問いには正解はありません。
なぜかというと、一括投資と違って積立投資の場合は毎月金融商品を買い増していくため、量が一定ではありません。
むしろ、途中で価格がものすごく下がってくれたほうが、量をたくさん買うことができて最終的にプラスになることもあります。
あえて答えを出すとしたら、「途中の価格は下ってもいいが、最終的には購入価格以上の価格になる」ものを選ぶ事です。
そもそもこの2つの投資方法では利益のとり方が違うということを覚えておきましょう。
我々が「投資は損しそうだから怖い」という場合の投資は、多くの場合一括投資を指しています。
積立投資に適した投資信託の基準は?
ここからは、積立投資に適した投資信託の選び方について解説します。
先程も触れたように、積立投資で大切なことは「途中の価格は下ってもいいが、最終的には購入価格以上の価格になる」ことです。
どのような投資信託を選べばこのような条件をみたすことができるのか、3つのポイントに分けて解説していきます。
1.長期的に成長するものが投資対象になっているか
1つめのポイントは「長期的に成長するものが投資対象になっているか」です。
一括投資と違い、積立投資は長く続けることで大きな効果を得るものですので、「長期的に成長していく資産に投資している」ということが一番大切です。
長期的に成長していく資産の代表的なものとしては、「世界株式」が挙げられます。
リーマンショックやチャイナ・ショックなど、世界経済全体が落ち込むような出来事もありましたが、そのたびに世界経済はそれ以上の成長を遂げてきました。
その世界経済成長の主役になったのは、間違いなく世界中の会社です。
世界全体の企業の株式にまんべんなく投資していれば、今後も長期的に成長していくことが見込めるでしょう。
積立投資に適さないものの代表としては、「テーマ型投資信託」というものがあります。
「テーマ型投資信託」はその時に旬なテーマを選び、そのテーマに沿って運用対象を決める投資信託です。
「AI」「ロボット」などがわかりやすい例ですね。
テーマ型投資信託は、流行っているものに投資をするので、短期的には大きく増える可能性があります。
ですが、その時旬なものが数十年先も旬であり続けるのはとても難しいことです。
積立投資を行う場合には、「その資産が数十年後にも成長している可能性があるか」という視点を必ず持っておいてください。
2.長期運用の実績はあるか
2つめのポイントは、「長期運用の実績があるか」です。
ここで言う実績については、「投資信託そのものの実績」と「運用会社の実績」の2つを見る必要があります。
まずは投資信託そのものの実績です。
積立投資を行う場合、10年から15年は運用しないと大きな効果は得られません。
したがって、運用商品は少なくとも5年以上の運用実績がある投資信託の中から選ぶようにしましょう。
2010年ごろ日本人の投資信託の平均保有期間は3年未満しかなく、3年未満しか運用しない投資信託の割合がかなりたくさんありました。
ただ最近では、つみたてNISAやidecoが広まってきたこともあり、長期間運用する投資信託の割合が増えてきてはいますので、探すのも難しいことではありません。
次に、「運用会社の実績」です。
日本の運用会社には長期の運用実績があるところは少ないので、海外の運用会社の商品を選ぶのを個人的にはおすすめしています。
IdecoやつみたてNISAができたことで、日本でも長期運用を前提とした商品も多く出てきましたが、外国にくらべると長期運用の実績はまだまだです。
アメリカやヨーロッパでは長期の運用は昔から普通に行われており、3世代に渡って同じ投資信託で運用するということも普通にあります。
30年以上運用している投資信託も日本と比較にならないくらい存在します。
日本の運用会社だけでなく、海外の運用会社に目を向けてみることで投資の視野は広がります。
3.運用方針はどうなっているか
3つめのポイントは「運用方針はどうなっているか」です。
投資信託の運用は、「アクティブ」と「パッシブ」の2種類に分かれます。
よく「インデックス運用」という言葉を耳にするかと思いますが、パッシブと同じ意味だと思ってください。
まずはそれぞれの運用方法について説明します。
「アクティブ」は、積極的に運用して大きなプラスを目指す運用方針のことを指します。
運用がうまくいけば大きなリターンが取れますが、もしうまくいかなった場合はマイナスになってしまうおそれもあります。
「パッシブ(インデックス)」は、運用対象資産の値動きに連動する運用方針のことを指します。
そこまで大きなリターンが得られるものではありませんが、大きなリスクもないのでマイナスになる幅も押さえられます。
では、積立投資にはアクティブかパッシブのどちらが向いているのでしょうか。
これに関して明確な回答はありませんが、私はアクティブとパッシブの両方で積立投資を行っています。
先程述べたように、それぞれに長所がありますので、両方で積立投資をおこなうことで両方の長所を利用することができます。
私が実際に積立投資で運用している投資信託は次の章で紹介いたします。
私がおすすめする投資信託3選
ここまで、積立投資に向いている投資信託を選ぶポイントについて解説してきました。
最後に、私が実際に積立投資を行っているおすすめの投資信託を3つ紹介します。
投資信託を選ぶ際に重視するポイントは、先程お伝えした3点です。
「長期的に成長するものが投資対象になっているか」
「長期運用の実績はあるか」
「運用方針はどうなっているか」
1.ブラックロック iシェアーズシリーズ

1つめに紹介するのは、ブラックロックが運用する「iシェアーズシリーズ」です。
ブラックロックは世界最大の資産運用会社であり、運用資産は1,153兆円程度(2021年12月末)です。
これは、日本のGDPを大きく上回ります。
iシェアーズはブラックロックが運用している投資信託の商品名です。
「世界株式」「新興国株式」「米国株式」など様々な資産で運用している投資信託があり、世界全体のETF(※)の中でトップシェアを誇る商品です。
運用会社の実績・商品の実績は申し分なく、いろんな資産に対応しているので、困ったらまずは「iシェアーズシリーズ」から選んで頂くのをおすすめしております。
私は「世界株式」と「新興国株式」の積立投資を数年前から行っています。
2.楽天・バンガード・ファンドシリーズ

2つ目は楽天グループの楽天投資顧問の「楽天・バンガード・ファンド」です。
楽天は皆さんご存知だと思いますが、今回注目すべきなのは「バンガード」の方です。
バンガードはブラックロックに次ぐ世界第二位の資産運用会社で、インデックスファンドを世界で初めて個人向けに作った会社です。
私も「楽天・バンガード・ファンド(世界株式型)」での積立投資を行っています。
ちなみに楽天・バンガード・ファンドは楽天投資顧問での設定日は2017年となっていますが、実際にはそれよりも10年以上前から運用されている非常に歴史のある投資信託です。
なお、「楽天・バンガード・ファンド(全米株式)」は楽天証券ファンドアワードで第6回最優秀ファンドに選ばれています。
こちらも実績は申し分無いので、自信を持っておすすめします。
3.キャピタル・インターナショナル「キャピタル世界株式ファンド」

3つ目はキャピタル・インターナショナルの「キャピタル世界株式ファンド」です。
3つの投資信託の中で唯一のアクティブファンドです。
キャピタル・インターナショナルはアメリカの運用会社で、アクティブ運用ではアメリカでトップクラスの実績がある会社です。
アクティブ運用でありながら長期の運用を前提にしており、キャピタル世界株式ファンドも数十年の運用実績を持っています。
少し前までは日本の証券会社での取り扱いはあまり多くありませんでしたが、現在はネット証券でも販売されるようになりました。
また、変額保険の特別勘定として採用している会社もありますので、アメリカの運用会社ではありますが比較的身近に感じられる運用会社です。
キャピタル世界株式ファンドについては別の記事でも書いていますので、ご覧ください。
まとめ
今回は、積立投資をする場合におすすめの投資信託の選び方と、私が実際におすすめできる投資信託について解説いたしました。
ここで紹介した3つの投資信託については、どれも自信をもっておすすめできるものばかりです。
もし積立投資をどの投資信託で初めていいのかわからない方がいらっしゃいましたら、まずはこの3つのどれかから選んでみてください。
おそらく失敗することは無いはずです。
ちなみに、この商品は実際に私が積立投資を試した結果、おすすめできるものを紹介しております。
投資の本や雑誌で紹介されている投資信託の銘柄とはかなり違った商品だと思いますので、こんな選び方もあるという参考にしてもらえたらうれしいです。
積立投資は、最終的に価格が上がっていることが大切
積立投資に適した投資信託は「長期的に成長するもの」
外国の投資信託は長期実績が優れているものが多くある
最後までお読みいただきありがとうございました。